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インダストリアルデザイン

「工業製品のデザイン」としての応用美術(applied art)である。「工業デザイン」または「工業意匠」とも呼ばれる。
産業・工業において美しさやユーザビリティの追求をし、その結果として製品の商品性を高めることが目的であり、美それ自体が目的である美術・芸術品(fine art)とは区別される。 日常生活物をデザインすることを強調した場合には「プロダクトデザイン」、機械製品のデザイン領域に限る場合には「メカニカルデザイン」ともいわれる。
日本ではインダストリアルデザイナーの多くは印刷物や平面のデザインをせず、室内や内装のデザインをしない。

インダストリアルデザインの歴史

「インダストリアルデザイン」という語は、1920年代のアメリカで使われ始めたといわれる。もともとは設計と意匠形状の設計は技術者が共に手掛けていた。レイモンド・ローウィらの活動により1920年代末から1930年代には、デザインの優劣が製品の売り上げさえ左右することが次第に認識されるようになった。インダストリアルデザイナーは大量生産・大量消費の時代を迎え、短期間のモデルチェンジなど、市場の倫理や要望を消化し反映するという必要から出現した職業である。当初は美術家、建築家、工芸家などが顧客である企業の委託を受けプロジェクト単位で関わることもあった。
その後、この職能の必要性から、大学において専門教育をするようになり、企業内にデザイン部署を創設する動きと連動して発展した。日本では企業内に所属するデザイナー(インハウス・デザイナー)が多く、海外においては(企業で大量に雇用する傾向に無い事から)フリーランスの割合が多い。

インダストリアルデザイナーとは

工業製品のデザインを手がけるデザイナーのこと。工業デザイナーと同義。
狭義には、いわゆる工業製品(具体的には自動車、航空機、船舶、家電製品、医療機器、業務用機器など)の意匠を担当する専門家のこと指すが、インダストリアル(industrial)という言葉が「工業の〜、産業の〜、産業界における〜」という意味の形容詞であるように、産業界に所属して産業に貢献するデザイナーはインダストリアルデザイナーであると言える。
かつては、大量生産される消費財を意図的に古臭く、時代遅れであるかのように感じさせ、次々と新しい形状の外観を与えて消費のスピードを加速させるためにインダストリアルデザイナーは利用され、そのデザイン造形の手法や方法論は批判的に“スタイリング”と呼ばれた。
しかし近年においては資源やエネルギーなどの環境問題が深刻化し、産業のありかたそのものが見直されるとともに、インダストリアルデザイナーの役割にも変化が生じはじめた。現在、インダストリアルデザイナーは具体的な製品のデザインを考えるだけでなく、素材の開発や設計に関与し、生産のシステム全体をデザインするようになりつつある。またその製品や商品がどのような価値を生み出し、どのような行為を誘発し、どのような文化を形成し、どのような時代性を築き上げるかということについてもデザインしている。
インダストリアルデザイナーに要求される専門性はより高度に、より広範なものとなっている。一方で、安易に専門性を細分化し、多くの専門家にデザインを分業させることは、デザインの創造性を損なう危険性も考えられる。優秀なインダストリアルデザイナーをいかに養成し、マネージメントするかということが今後の課題であるといえる。

プロダクトデザインとは

製品のデザインのこと。しばしばインダストリアルデザイン(工業デザイン)と混同されるが、プロダクト(product)という言葉自体が工業生産物や製品のみならず、広義においては製作物(ある計画によって生み出された成果)全体を意味する概念語のため、本質としては包括的な言葉である。
グラフィックデザインに対し、単に「物のデザイン」という意味で用いられる場合がある。ただし、日本語における「物」という言葉は多義的で、目に見える具体的な物体ということだけではなく、意識や思考の対象となりうる「こと(事)」をも含んでいる。近年においては、「もの」だけでなく「こと」のデザインが重要であるという内省的な意識が生まれ、プロダクトデザインとは、すなわち「モノゴトのデザイン」であるとも言える。
プロダクトデザインを行うデザイナーをプロダクトデザイナーと呼ぶ。

プロダクトデザイナーとは

プロダクトデザインを行う人のこと。プロダクトデザイナーには、いわゆる工業製品(具体的には自動車、飛行機、家電製品、業務用機器、医療機器など)のデザインを行うインダストリアルデザイナーだけでなく、家具や食器、パッケージなどのデザイナーも含まれ、場合によってはデザイン的な方法論を導入する工芸作家までを包括する場合がある。
プロダクトデザイナーは、関与するプロジェクトによってはグラフィックデザイナーやファッションデザイナーと同様の作業を行うこともしばしばであり、実際の仕事は多岐にわたる。ファインアートに対し、デザインが、ある目的を果たすために生産される道具(=製品)に対して向けられる活動であるということをメタレベルにおいて共有した場合、プロダクトデザイナーという言葉が示す意味内容は、本質的にデザイナーとほぼ同義であると言える。